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セラフィック・ブリーズ 第八話・収穫 見ると、リチャードが目を開けてこちらを見ている。 コレキヨ「うわ!びっくりした。起きてるなら言えよ。」 リチャード「う……あ……」 コレキヨ「そっか。しゃべれないか。そりゃそうだ。起きてることも奇跡に近いのに。」 そう言っているうちに、リチャードは再び眠りに入ってしまった。 どうやら、だいぶ前にはもう気がついていたようである。 今も、眠ってはいるが周囲の気配は感じているだろう。 アートン「大丈夫なのか?また気絶したのではないか?」 コレキヨ「いえ。もう大丈夫です。これは眠っているだけですよ。」 アートン「そうか。では私は、宿に戻って報告書を書くことにしよう。」 そう言って、アートンは戻っていった。 それから丸一日。リチャードはしゃべれるまでに回復し、 もう一人の学生は、出歩くこともできるようになった。 ただ、リチャードだけは血液検査でも白血球数が異常に高く、 まだまだ時間が掛かりそうである。 コレキヨ「で、何か思い出したかい?」 リチャード「いや。やはり、途中からの記憶がはっきりしないんだ。」 コレキヨ「う〜ん。こういう質問はファイが得意なんだけどなぁ。」 リチャード「ファイ?ファイも来ているのか?」 コレキヨ「あ、言ってなかったっけ?実は…」 ちょうどそこまで言いかけたとき、診療所の裏手で「ドカン」という爆音が聞こえた。 コレキヨ「ん?なんだろう?ちょっと見てくるからジョー君ここを頼むね。」 ジョー「はい。」 コレキヨが裏庭に出ると、あたり一面砂埃だ。 砂埃の向こうをよく見ると、何かが動くのが見えた。 と、同時に声が聞こえてきた。 ファイ「いたたたたた。う〜ん。着陸失敗。」 コレキヨ「ファイ?!なんでこんなことになってんの?着陸失敗って…?」 ファイ「ある意味飛んできたから。あ、これありがとう。今ので折れちゃったけど。」 といって、ファイは持っていったほうきをコレキヨに返した。 コレキヨ「まったく、もう少し静かにできないものかね。」 ファイ「いやん。そんなに誉めないでよ。」 コレキヨ「ほめてないよ。」 そんな会話をしながら、二人は病室へ向かった。 ファイは病室へ入るなりリチャードに話し掛けた。 ファイ「よー、リチャード、元気?…なわけないか。」 リチャード「なんとかな。それよりおまえ、あっちのほうは大丈夫なのか?」 ファイ「ん?ああ、大丈夫よ。」 コレキヨ「ま、その辺はさすがというべきか、見事なもんだよね。」 ファイ「ところで、リチャード。ちょっと聞きたいんだけどいいかな?」 リチャード「嫌だといっても聞くんだろう?」 ファイ「失敬な。それくらいわきまえるわよ。」 リチャード「で?なんだ?」 ファイは、昨日の夜のことを話した。 それを聞いたリチャードは、学者らしい顔つきに変わる。 リチャード「うむ。それは興味深い。私の時にはなかった現象だな。」 ファイ「そっか〜。なんかの手がかりになるかと思ったのに。」 リチャード「すまんな。記憶もはっきりしなくて。荷物も置いてきてしまったし。」 ファイ「あ、荷物っていうか、ノートなら持ってきたよ。」 ファイは、リチャードにノートを手渡した。 読み物コーナーへ |